【歯科医師監修】歯周病の初期症状を見逃すな!沈黙の病気から歯を守る「7つのサイン」と専門医が教える早期発見・治療ガイド
なぜ「初期症状」に気づけないことが致命的なのか?

「歯磨きの時に少し血がつく」 「なんとなく口の中がネバつく」 「疲れると歯茎が腫れる気がする」
もし、あなたがこのような症状を「体調のせいだろう」「磨きすぎたかな」と軽く考えているとしたら、非常に危険な状態かもしれません。それは、日本人が歯を失う原因の第1位である「歯周病」の初期サインである可能性が高いからです。
歯周病は別名「サイレント・ディジーズ(沈黙の病気)」と呼ばれます。最大の特徴は、「重症化するまで痛みが出ない」こと。痛みに気づいて歯科医院に駆け込んだ時には、すでに歯を支える骨が半分以上溶けており、抜歯を宣告されるケースも少なくありません。
しかし、絶望する必要はありません。正しい知識を持ち、初期のサインを見逃さずに適切な処置を行えば、歯周病は予防でき、進行を食い止めることができる病気です。 本記事では、日本歯周病学会専門医(国内の歯科医師のわずか1.4%)である院長が、見逃しやすい初期症状のチェックポイントから、進行のメカニズム、そして歯を残すための最新治療「再生療法」まで、どこよりも詳しく解説します。
目次
- 1,【セルフチェック】鏡の前ですぐできる!歯周病の初期症状7選
- 2,なぜ出血する?なぜ臭う?症状の裏にある「細菌のドラマ」
- 3,「歯肉炎」と「歯周炎」の決定的な違い(運命の分かれ道)
- 4,専門医の視点:一般歯科とは違う「ここ」を見ています
- 5,放置するとどうなる?全身を蝕む負の連鎖(糖尿病・心疾患)
- 6,「抜くしかない」と言われても諦めない。「再生療法」という選択
- 7,30年で歯を失わない。「97.7%の保存率」を実現する予防科学
- 8,まとめ:東京・品川区戸越で「一生自分の歯」を守るために
1. 【セルフチェック】鏡の前ですぐできる!歯周病の初期症状7選

まずは、ご自身のお口の状態をチェックしてみましょう。以下の項目のうち、1つでも当てはまる場合は、歯周病(またはその予備軍)の疑いがあります。
① 歯磨き時の出血(最重要サイン)
白い歯磨き粉がピンク色に染まっていませんか? 健康な歯茎は、多少強く磨いても出血しません。出血は、歯周ポケットの内側が炎症でただれ、潰瘍(傷口)ができている証拠です。
② 口臭が強くなった(指摘された)
「最近、口が臭うかも…」と感じたり、家族に指摘されたりしていませんか? 歯周病菌が発生させるガスは独特の悪臭を放ちます(詳細は後述)。
③ 起床時のネバつき
朝起きた時、口の中がネバネバして不快感があるのは、寝ている間に唾液が減り、歯周病菌が爆発的に増殖したサインです。
④ 歯茎の変色・腫れ
健康な歯茎は「薄いピンク色」で引き締まっています。もし鏡を見て、歯茎が赤黒くなっていたり、丸くボテッと腫れていたりする場合は、炎症が起きています。
⑤ 歯が浮いた感じ・むず痒い
痛みというほどではないけれど、「なんとなく歯が浮いている気がする」「歯茎がムズムズする」という違和感。これは歯を支える歯根膜(クッション)に炎症が及んでいる初期徴候です。
⑥ 食べ物が挟まりやすくなった
「昔はこんなことなかったのに、最近よく肉や繊維が挟まる」。これは、歯を支える骨が溶け始め、歯と歯の隙間が広がったり、歯が動いたりしている可能性があります。
⑦ 歯が長く見える(歯肉退縮)
「歯が伸びた?」と感じるのは、歯が成長したのではなく、骨が溶けて歯茎の位置が下がってしまった(歯肉退縮)ためです。知覚過敏の原因にもなります。
2. なぜ出血する?なぜ臭う?症状の裏にある「細菌のドラマ」

なぜ上記のような症状が起こるのでしょうか? 「汚れが溜まっているから」だけではありません。そこには、細菌と私たちの体の免疫システムとの激しい戦いがあります。
歯周病の正体は「細菌感染症」
お口の中には数百種類の細菌が存在します。磨き残し(プラーク)を放置すると、細菌たちは結束して「バイオフィルム」というヌルヌルした膜を作ります。これは台所の排水溝のぬめりと同じで、うがい薬や抗菌薬を跳ね返してしまう強力なバリアです。
「レッドコンプレックス」の脅威
バイオフィルムの中で増殖する細菌のうち、特に悪質な3つの菌(P.g菌、T.f菌、T.d菌)を「レッドコンプレックス」と呼びます。これらは互いに協力し合い、組織を破壊する毒素を出します。
• 出血の理由: 体の免疫細胞がこれらの細菌と戦うために、歯茎に血液を集めます。その結果、歯茎が腫れ、少しの刺激で血管が破れて出血するのです。つまり、出血は「体からのSOS」です。
• 口臭の理由: レッドコンプレックスなどの歯周病菌は、タンパク質を分解する際に「メチルメルカプタン」という揮発性硫黄化合物(VSC)を作り出します。これは「腐った玉ねぎ」のような強烈な悪臭で、歯周病特有の臭いです。
3. 「歯肉炎」と「歯周炎」の決定的な違い(運命の分かれ道)

「歯周病」という言葉は、進行度によって大きく2つに分けられます。この違いを理解することが、歯を守る最大のポイントです。
ステージ1:歯肉炎(ここなら完治できる!)
• 状態: 炎症が「歯茎(肉)」だけに留まっている状態。
• 症状: 軽い出血、腫れ、赤み。痛みはない。
• 骨の状態: 骨はまだ溶けていません。
• 治療: 正しいブラッシングと、歯科医院でのクリーニングを行えば、元の健康な状態に完全に治ります。
ステージ2:歯周炎(ここからは「骨」が失われる)
• 状態: 炎症が深くまで進み、歯を支える「歯槽骨(しそうこつ)」に達した状態。
• 軽度: 歯周ポケット3〜5mm。骨が少し溶け始める。
• 中等度: 歯周ポケット4〜7mm。骨が半分ほど溶け、歯がグラつき始める。
• 重度: 歯周ポケット6mm以上。骨の大部分が失われ、自然に歯が抜け落ちる寸前。
• 重要: 一度溶けてしまった骨は、自然治癒では二度と元に戻りません。
多くの患者様が「出血したけど痛くないから」と歯肉炎を放置し、気づかないうちに「歯周炎」へと移行してしまっています。この境界線で食い止めることができるかが勝負です。
4. 専門医の視点:一般歯科とは違う「ここ」を見ています

「歯医者なんてどこも同じでしょ?」と思っていませんか? 実は、日本歯周病学会の「専門医」資格を持つ歯科医師は、国内に約1.4%しかいません。私たち専門医は、初期症状の段階で、一般の検診とは異なる視点で診断を行っています。
① 「歯周ポケット」の数値の読み方
一般的には「ポケットが4mmあるから歯周病です」で終わることが多いですが、専門医は「出血の有無(BOP)」とセットで評価します。たとえポケットが浅くても、出血があれば「活動期(現在進行形で骨が溶けている)」と判断し、即座に介入します。
② レントゲンで見逃さない「骨の溶け方」
骨の溶け方には2種類あります。
• 水平性吸収: 全体的に平らに骨が減る。
• 垂直性吸収: 特定の歯の周りだけ、くさび状に深く骨が溶ける。 専門医は、この「垂直性吸収」を早期に発見します。なぜなら、垂直的に溶けた骨は、後述する「再生療法」で回復できる可能性が高いからです。
③ かみ合わせ(咬合性外傷)のチェック
歯周病を悪化させる隠れた要因に「歯ぎしり」や「かみ合わせ」があります。特定の歯に強い力がかかると、そこだけ歯周病が急速に進行します。専門医は、細菌のコントロールだけでなく、力のコントロールも同時に行います。
5. 放置するとどうなる?全身を蝕む負の連鎖(糖尿病・心疾患)
「たかが口の病気」と侮ってはいけません。近年の研究で、歯周病は全身の健康に深刻な悪影響を及ぼすことが証明されています。
糖尿病との「負のスパイラル」
糖尿病の人は歯周病になりやすく、歯周病があると糖尿病が悪化しやすいという「双方向」の関係があります。歯周病菌が出す炎症物質(TNF-α)が、インスリンの働きを妨げるからです。逆に、歯周病治療を行うと血糖値(HbA1c)が改善することもわかっています。
命に関わる心疾患・脳血管疾患
歯周病菌が血管に入り込むと、動脈硬化を促進させます。これが心筋梗塞や脳梗塞の引き金になることがあります。歯周病の人はそうでない人に比べて、心疾患のリスクが数倍高いというデータもあります。
妊娠トラブル(早産・低体重児出産)
妊娠中の女性はホルモンバランスの変化で歯周病になりやすいだけでなく、歯周病の炎症物質が子宮の収縮を促し、早産のリスクを高めることが報告されています。
6. 「抜くしかない」と言われても諦めない。「再生療法」という選択

もし初期症状を見逃し、進行してしまっていても、諦めないでください。 「骨が溶けているから抜くしかない」 そう他院で言われた方でも、専門医による高度な治療であれば、歯を残せる可能性があります。それが「歯周組織再生療法」です。
溶けた骨を蘇らせる「エムドゲイン」「リグロス」
当院では、以下の最先端薬剤を使用し、失われた骨や歯周組織を再生させます。
• エムドゲイン: 幼若なブタの歯胚から抽出したタンパク質を歯根に塗布し、歯が生えてくる時と同じ環境を作り出して組織を再生させます。世界中で安全性が確認されている実績ある治療法です。
• リグロス: 日本で開発された細胞増殖因子(bFGF)。強力な血管新生作用により骨の再生を促します。保険適用が可能になったため、費用の負担を抑えて治療が受けられます。
歯茎を美しく戻す「歯周形成外科」
歯周病で下がってしまった歯茎は、見た目が悪いだけでなく、知覚過敏や虫歯の原因になります。当院では、上顎の口蓋などから結合組織を移植し、歯茎を元の美しい状態に戻す「歯肉移植術」などの専門的な外科処置にも対応しています。
これらは高度な技術を要するため、すべての歯科医院で受けられるわけではありません。専門医が在籍する長嶋デンタルオフィスならではの強みです。
7. 30年で歯を失わない。「97.7%の保存率」を実現する予防科学
スウェーデンのアクセルソン博士が行った有名な長期研究があります。 定期的に歯科医院で専門的なメンテナンス(PMTCや歯石除去)を受け続けたグループは、30年間で抜けた歯が平均わずか0.6本、97.7%の歯を守り抜いたという結果が出ました。
治療終了が「スタートライン」
歯周病治療で一時的に細菌を減らしても、バイオフィルムは数ヶ月で再び形成されます。 当院では、治療後も患者様ごとのリスク(喫煙、糖尿病、歯並びなど)に応じたオーダーメイドのメンテナンスプログラムを作成し、1〜3ヶ月ごとのチェックで再発を未然に防ぎます。
自分の歯で噛める幸せを
入れ歯やインプラントも素晴らしい技術ですが、やはり「自分の生まれ持った歯」に勝るものはありません。初期症状に気づいた今こそが、一生自分の歯で食事を楽しむための分岐点です。
8. まとめ:東京・品川区戸越で「一生自分の歯」を守るために
歯周病の初期症状は、体からの「助けて」というサインです。 出血、口臭、ネバつき……これらを「大したことない」と放置するか、すぐに専門家に相談するかで、あなたの10年後、20年後のお口の未来は大きく変わります。
長嶋デンタルオフィスは、東京・品川区戸越エリアで、数少ない「日本歯周病学会専門医」が診療を行う歯科医院です。 「痛くない丁寧な治療」を基本に、初期のケアから、重度の歯周病に対する「再生療法」まで、あらゆる段階の歯周病に対応しています。
「もしかして歯周病かも?」 そう思ったら、まずは一度、当院の検査にいらしてください。 専門医の確かな技術と診断で、あなたの大切な歯を守るお手伝いをさせていただきます。

監修/長嶋デンタルオフィス 院長 長嶋 秀和
日本歯周病学会 専門医 日本大学歯学部卒業後、大学病院にて歯周病治療を専門に研鑽を積む。 重度歯周病に対する再生療法を含む精密治療を得意とし、 「歯をできる限り残す治療」を大切にしています。
※本記事は、日本歯周病学会専門医である院長 長嶋秀和が監修しています。
▶ 経歴・資格を見る
経歴
- 2012年 日本大学歯学部歯学科 卒業
- 2012年 日本大学歯学部付属歯科病院 卒後研修
- 2013年 日本大学大学院応用口腔科学分野 歯周病学 入学
- 2017年 日本大学大学院応用口腔科学分野 歯周病学 修了
- 2018年 日本大学歯学部付属歯科病院歯周病学講座 専修医
資格・所属学会
- 日本歯周病学会 専門医
- 日本臨床歯周病学会
- 日本歯科保存学会
- 日本口腔インプラント学会
- 日本顕微鏡歯科学会
- 日本臨床歯科学会
- 川口ペリオインプラント研究会
- 情熱会
- 包括歯科医療研究会
- 48期 くれなゐ塾 受講

