虫歯はこうして進行します
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C1初期の虫歯
歯の表面のエナメル質が、わずかに溶けている状態。まだ痛みもなく、定期検診で見つける事ができた場合、早期に対応できます。
適切な歯磨きやフッ素塗布などで歯の再石灰化を促せば、治癒できるケースもあります。
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C2歯の内部まで進行した虫歯
エナメル質の内側にある象牙質にまで溶解が進んだ状態。「冷たいものがしみる」といった症状で気づく事があります。虫歯に冒された部分のみを正確に小さく歯を削り、削った大きさに合わせて詰め物や被せ物を、隙間なく適合精度良く治療する事が大切となります。
このためには、マイクロスコープなどの拡大視野下での治療が不可欠となります。
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C3神経まで進行した虫歯
虫歯が、歯の内側の神経まで達した状態。場合によっては、MTAセメントという特殊なセメントを用いいる事で神経の保存を行う事も可能ですが、「何もしなくてもズキズキする」「噛んだとき痛み、症状が長く収まらない」などと症状が進行すると、神経経を取り除く治療行う必要が出て来てしまい、歯の寿命は低下してしまいます。
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C4歯冠が大きく失われた歯
歯冠部分がほとんど溶けてなくなり、虫歯が歯根まで到達した状態。神経が死んで一旦痛みがなくなりますが、歯根の先に膿が溜まる事で、再び激しい痛みが生じます。歯を歯茎の上に出すクラウンレングスニングの適用となれば、保存を試みる事が可能ですが、進行しすぎるとその歯を保存する事は出来なくなり、入れ歯治療・ブリッジ治療や、インプラント治療が必要になります。
1つの歯は5回再治療されると抜歯になる、という報告があります。残っている歯質が少なくなったり、神経を取ってしまうと、優位に破折のリスクが高くなります。
このため、治療する際は、マイクロスコープなどの拡大視野下でより精密に治療を行い、虫歯の部位だけを正確に最小限に削合し、隙間や段差なく精密に樹脂を詰める(ダイレクトボンディング)事がその歯の寿命を伸ばすために重要となります。