根管治療を成功に導くための条件
- 虫歯の取り残しがない
いわゆ神経の痛み自体は根管の中がある程度きれいになれば落ち着く事がほとんどです。しかし、歯髄が死んでしまった原因である、歯冠側の虫歯を取り残してしまっていると、容易に再発してしまいます。このためには、虫歯を取り残さない事が重要となり、マイクロスコープによる拡大視野下での治療は大いに有効となります。 -
無菌的な根管処置(ラバーダム防湿)
ラバーダム、という単語をご存知でしょうか?これは、歯を口の中から隔離するためのゴムの膜の事を指します。お口の中には様々な細菌が存在し、これらが治療中に根管の中に入り込んでしまうと治療の成功率は有意に下がります。 - 根管治療時の適切な封鎖
論文のデータにおいて、適切な根管治療と、適合の良い隙間のない被せ物のどちらがより根管治療の成功率に影響するか、という報告があります。これによると、適切に根管治療をしていても、適合野悪い被せものをしていると、その成功率が下がってしまうと報告されています。 - 洗浄・調薬などの化学的な根管洗浄
根管の中は、複雑な形態をしており、機械的に汚れている面を全て削り取る事は実質的に不可能です(可能ですが、歯がとても薄くなってしまう)。このため、複雑な根管の中をきれいにするために、薬液による洗浄や、化学的な薬剤による貼薬が必要となり、複数回の丁寧な治療が必要になります。